先進理工学部／先進理工学研究科の特長を教えてください

早稲田大学創設時の教旨を現代において読み解くと、大学が果たすべき重要な使命として、「知の創造（研究）」、「知の活用（直接的社会貢献）」、「知の継承（教育）」があります。

先進理工学部は、物理、化学、生命、電気、情報をはじめとする多様な学問領域において、真理の探究から社会実装までを網羅する6学科で構成されています。また、先進理工学研究科には学科数を超える11の専攻を置いています。他研究科の学問領域を横断する学際型専攻や他大学（東京女子医科大学、東京農工大学、東京都市大学）との共同専攻も設置しており、先端的な教育研究を進めています。さらに2014年度からはグローバルリーダーとしての博士人材育成を目指した修士・博士5年一貫制博士課程である先進理工学専攻も設置しました。このように、社会からの多様なニーズ、皆さんの知的好奇心に応え得る多彩なカリキュラムを用意しています。

先進理工では、学生は学部卒業後に高い比率でそのまま大学院（先進理工学研究科）へ進学しており、両課程を通じて「教育」と「研究」が切れ目なく密に統合されていることが最大の特長です。

学部の早い段階から専門科目が設置され、大学院進学内定者への大学院科目先取り履修制度、国内外での大学院生の研究成果発表の推奨など、先進的な科学技術領域で真に活躍できる人材育成を目指した教育研究活動が、学部・大学院を通じて展開されています。手厚い教育環境のもと十分な基礎学力と専門的知識を修得し、その土台の上で新たな知の創造を実現する研究力を培うことができます。

また、早稲田大学には充実した奨学金制度が整備されていますが、これに加え、先進理工独自の奨学金の充実にも力を入れています。奨学金以外にも、修士課程の大学院生が国際会議で研究成果を発表する際の補助を行うなど、多方面で経済的な支援体制を拡充しています。

学部カリキュラムの締めくくりである卒業論文や、大学院での修士論文、博士論文の作成は、先進理工にある数多くの研究室のいずれかに所属して行うこととなります。いずれの研究室も、世界の第一線で研究活動に力を注ぎ、科学技術の発展に常に貢献し続けています。そのような環境の中に積極的に自ら飛び込み、世界レベルの高い目標を掲げて邁進するという経験を得てほしいと思います。先進的な科学技術領域で世界的に活躍できるように、先進理工の教員全員が、皆さんのスキルアップに全力を尽くします。そして、皆さんが自らを成長させながら科学技術の発展に主体的に寄与していくことを大いに期待しています。

ただし、学生生活がそれだけでは勿体ないと思いませんか？
研究活動に限らず、若い時の経験は、その後の人生を方向付ける重要な意味を持ちます。学生時代は瞬く間に過ぎ去っていきます。学問だけでなく、友人、社会活動、留学、サークル、旅行など、あらゆることを思う存分経験してほしいと思います。

今後の展望を教えてください

「研究大学としての早稲田」を牽引してきたと自負している先進理工において、一層の研究力強化を図りたいと考えています。

先進理工では、複数の産学組織にわたる大型プロジェクト研究を主導的に実施することも多く、国レベルの研究の第一線に大学院生が直接関わる機会も数多く見られます。これは、豊かな社会の構築を目指した「研究」の場であり、同時に大学における「直接的社会貢献」の姿でもあり、それに関われる学生の皆さんにとっては自らを成長させる最高の「教育」の機会でもあります。最初にお話しした、大学が果たすべき重要な3つの使命が融合された形といえます。

高いレベルでの研究が、それに切れ目なく連結する学部・大学院教育をより高度なものとし、そのことが研究力のさらなる向上につながっていく、そのような学部・大学院を通じての教育研究の在り方をこれからも追求し続けていきたいと思っています。

このような先進理工の教育研究環境で育った学生の皆さんには、これまでも数多くの企業から求人が寄せられ、就職状況は大変良好です。真理の探究を目指す科学技術と豊かな社会の実現に貢献する科学技術との両立を地球規模の広い視野で実現できる国際的なリーダーや、画期的なイノベーションを創出する人材を、これからも数多く育成したいと考えています。

先進理工学部／先進理工学研究科で学ぶことを志す方々へのメッセージをお願いします

大学にはより大きな「自由」があり、様々なことに挑戦できる極めて充実した環境を先進理工では整えています。数多くの選択肢に対し、あらかじめお膳立てされた型にはめられることなく、自分の意志で好きな方向に手を伸ばせるという「自由」を存分に謳歌して欲しいと思います。

先進理工で最先端の科学を学び、サークル活動などの課外活動でも出会うであろう生涯の友人達とともに、皆さんの夢を実現してください。