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写真 2010.06.16

GCOE「実践的化学知」教育研究拠点:メソ化学の実践的な展開において多大な成果!

                                     「実践的化学知」教育研究拠点リーダー 黒田 一幸

                                          





 早稲田大学グローバルCOE「実践的化学知」教育研究拠点は、グローバルCOEプログラム化学・材料科学分野13拠点のひとつとして私立大学としては本学のみが採択されました。これまで多くの優れた人材を輩出してきた本学のこの分野における教育研究の歴史と成果、グローバルCOEプログラムに先立ち5年間展開してきた21世紀COEプログラム「実践的ナノ化学」教育研究拠点での高評価、さらに参画する教員の高い教育研究実績が的確に評価されたものです。

「実践的化学知」(Practical Chemical Wisdom)とは社会・人間に関わる諸課題について俯瞰的な問題意識を起点に、実用を強く指向した複合化学である「メソ化学」を推進する英知・知力を意味しています。本拠点は、それら「英知」の構築と化学系研究者の「知力」養成を目的としています。

「メソ化学」は、ナノスケール化学を超えるメソスケール複合化学の実践です。単にメソスケールの化学と言うのではなく、「レゴブロック」で小さなパーツをその形状に合わせて組上げて「お城」を作るかの様に、ナノ構造体をボトムアップで創製できる実力を土台と位置づけ、メソスケールでの次元・階層・時空間を意識した材料設計と創出を展開することにより、ナノ構造体にはない新たな機能や性質をメソ構造体で実現し、新規材料やデバイスを創製することを意味します。

 最近のトピックスとして、竜田教授が「糖質を用いる多様な天然生理活性物質の全合成」の成果により第99回日本学士院賞受賞したのを始め、逢坂教授・門間准教授のグループによるメソ化学の観点から開発を重ねた燃料電池の応用事例である「曲げられる燃料電池」や、武岡教授によるシート状ナノ材料の医用応用である「世界一薄い創傷被覆材(ナノ絆創膏)」など、メソ化学の実践的な展開において多くの成果が出ています。

          









左上写真:曲げられる燃料電池